８年間、ベルリンフィルを聴かせてもらって、さらには親友の特訓（？）もあってここ１、２年はちゃんと自分の意見を言えるようになったり、プログラムと指揮者でどんな演奏になるかを予測できるようになった。

すでにザルツブルグで演奏会があったので、親友達がそれぞれに「マタイ受難曲、ものすごくよいよ」と報告してくれ「そうなんだ！」と期待を胸にフィルハーモニーへ。
ちなみに初演は１７２７年４月１１日。偶然にも２８３年前だった。

いつもの場所（ちなみにいつも立ち見）へ行き舞台を見てみると、どうやら演出の入った演奏会らしく。オーケストラと合唱は二分にされていて、指揮者台も二つ。真ん中には大きな木で出来た長方形の箱。合唱団が出てきて、それが棺だということに気づいた。衣装はみな黒。「儀式化」をしたのは Peter Sellars　。どうやら有名らしく。休憩の時にアーティストラウンジで見かけたけれども動物的な動きを取る人で「You guys are fu**in´ fu**´in fu**´ in great!　」と飲み物を買うフィルハーモニーカーや合唱団員に叫んでいた（笑）。彼の賛辞するように、合唱も、ソリストも、演奏もすべてがすごくすごくよかった。私は特にイエスとエヴァンゲリストが素晴らしいと思った。まさかマタイ受難曲で感動するとは思ってもみなかったけれども、イエスの語りの部分では胸がぐっと熱くなった。サイモンラトルの妻である、マグダレナコジェナの声もまた深みを増して素晴らしいなぁ。。。と感動。ソプラノもきれいな声で、聴いていて心が洗われるというかとても心地よかった。演技もみな、素晴らしかった。イエスは客席にいるし、少年合唱も通路にいたり、いつもとは違う音響を楽しめた。アリアでは、楽器とのデュエット。オーボエ、古楽器、ヴァイオリンなど、皆が演技を求められた演奏会。すごくおもしろかった。特にアルブレヒトマイヤーのオーボエとテノールのアリアはよかった。６５番のバスのアリアの伴奏になる、親友のパートも本当に素晴らしくて。。。２９番では前奏の間に合唱団員が会場内に駆けてちらばり、私の立つ所では、四方から奏でられるハーモニーが本当に心地よく聞こえて「これは本当にごくまれな演奏会」と感じた。休憩時にもそれを親友に報告。彼もまた舞台上で「声」を堪能していると言っていた。全てが心地よく。