Massage from 池永正二 あらかじめ決められた恋人たちへ。

update : 2011.05.11 (Wed)

5/25(水)にニューアルバム「CALLING」をリリースする
〈あらかじめ決められた恋人たちへ〉の最新アーティスト写真を公開します!

そして、最新作「CALLING」について、あらかじめ決められた恋人たちへの中心人物であり、トラックメイカー/鍵盤ハーモニカ奏者の池永正二より「CALLING」についてコメントが届きました。是非ご覧下さい。

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あらかじめ決められた恋人たちへ

「CALLING」について。

そういえば、「CALLING」とはなかなか産まれてこない娘に「はよ出ておいでよ」って呼びかけたくて作った曲が始まりだった。安産祈願ソング。
その言葉どおり祈りや願いにも似てるのかも。あれからもう、娘も1歳半。まさか地震が来て原発が2度も爆発するとは思わなかった。イライラする。ふざけんな!殺すぞ!って、娘の笑顔見てたら原発犯に対して思うけど、いや、そんなアルバムではない。そもそも震災前にはミックスは終わり、 後はマスタリングのみ、タイトルも決まっていたし。地震が起きるまで、「CALLING」ってタイトルはちょっとかっこつけすぎちゃうか、などと迷いもあったんですが、確信に変わりました。
呼ぶ。呼ばれる。呼び合う。叫ぶ。強い衝動。いや、大きい話しやなくって、ほら、携帯に着信したら 「CALLING」って表示されるでしょ。送信したらその先に「CALLING」。その日々レベルでの話し。その中での祈り。例えば新年初詣での祈り。みんな祈ってますよね。幸せになりたいもんんね。でもなれなかったり、叶わなかったり。やってもできない事はあるけど、やってみる事はできる。失敗したらしゃーないやん。自分なんて日々失敗してるよ。家の鍵閉め忘れたり、入り時間間違えたり。何の話やったけ?いやいや、アルバムの話し。そうそう、作ってる時もそんなん。どんどん逸れていく。逸れていった先で何か拾ったり、単なる遠回りで没になったり。たどり着いた駅は?ここ何処?それは聴いてくれた人の中にあるのかもしれないです。
そもそも音楽する意味なんて震災前であろうが震災後であろうが考えた事ないし、いや考えた事はあるけど結論、自分には考える能力が欠けている。意味なんてどうでもいい。ただそこで(ノイズの中だけど)メランコリックに爆発的に響いて欲しい。DUBして欲しい。ココロがディレイして、もっとトオクまで響きわたってほしい。間違いだろうが正解だろうが、明るかろうが、さみしかろうが、楽しかろうが、苦しかろうが、焦燥や、ちょっとした喜びや、大げさな意気込みや、嫌になるくらいの失敗や、胡散臭い気持ちや、ブレてるココロや、女々しい言い訳や、男っぽい見栄や、知らないだけの偏見や、美しいと思ったちょっとした瞬間や、醜いと思ってしまった自分自身の醜さや、うねって、立ち止まって、あれ?見上げれば空、夕焼けやん。すべてのありとあらゆる事象が、人々のいやーな気分さえも、その瞬間美しく燃えて、やけにやさしい赤に染められた。その赤はあとちょっと時間が経てば夜によって真っ暗に塗りつぶされていくのは絶対、、、、
娘はもう一歳半。笑って泣いて遊んで食べて寝て泣いて笑ってしている。
祈りを込めて。

2011.5.10(tue) am0:35 より、あらかじめ決められた恋人たちへ。
池永正二

「CALLING」
1 [具体的には] 呼ぶこと,叫び; 点呼; 召集.
2 a 天職; (神の)お召し.b 職業.
3 a 〔職業・義務・活動などに対する〕強い衝動,欲求; 性向 〔for〕.b 〈...したい〉強い衝動,欲求 〈to do〉.

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